【報告】2023年第2回人権学習ワークショップ《あなたならどうする》

2023年度識字・日本語センター事業 人権学習ワークショップ《あなたならどうする》

第2回
実施日:2023年9月30日
場 所:生江識字教室
テーマ:障害者差別問題

 

午前中から午後にかけて開催した「料理とおしゃべりを通して識字学級を知ろう」に続いて、第2回人権学習ワークショップ「あなたならどうするー障害者差別問題ー」を開催しました。識字・日本語学習の場において2022年におきた差別事象をふりかえり、差別事象後、各教室での取り組みを報告してもらいました。あわせて、識字学級でこれまで大切にしてきた生い立ちを語り合う、綴るということから、参加者それぞれにとっての障害者差別問題について参加者数人から話してもらいました。子どもの頃の経験、子育てにおいて経験した被差別体験などです。
その後、障害者問題に関わる「治療モデル」と「人権モデル」という枠組みを土台にこの枠組をさらに発展させた、「自己責任モデル」、「福祉モデル」、「人権モデル」を参考にしながら考えました。この3つのモデルは、それぞれ次のような特徴をもっています。

●自己責任モデル…不利な立場や不利益な状況の原因や責任は個人にある。
それを努力して改善することが重要だ。
●福祉モデル………問題は、当事者とまわりの接点にある。
周りの温かい関わりやおもいやりによって解決すべきだ。
そのために、わたしも何かしてあげよう。
●人権モデル………不利な立場や不利な状況の原因や責任は社会の側にある。
被差別当事者自身の自己主張が重要である。
国際人権基準などに定める権利を保障する責任が国や社会にある

グループワークでは、大阪府人権教材『見方を変える ―わたしのものさし あなたのものさし―』※のなかにある「あなたならどうする?」というワークシートを使い、「どんな解決策があるか」を話し合いました。知的障害のある人が上階に引っ越してきたが、うるさくてなんとかしたいという事例です。グループからは、いくつもの提案がでてきました。そこで改めて、グループから出てきた解決策が3つのモデルのどれと相性がよいかを考えました。
この学習で考えるべきポイントはいろいろとあるのですが、重要なポイントの1つは、障害のある本人から直接意見を聴くことです。「被差別当事者自身の自己主張が重要である」とは、つまり「Nothing about us, without us!(われわれ抜きにわれわれに関することを1つたりとも決めるな」ということです。

 

※『見方を変える ―わたしのものさし あなたのものさし―』
(大阪府府民文化部人権局発行,一般社団法人大阪府人権協会編集、2017年3月発行)
URL https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/1418/00245172/2016%2034-35.pdf

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